オチでキリギリスが生きてるタイプの『アリとキリギリス』もあれば、オチで猿が生きてるタイプの『さるかに合戦』もある。登場人物が死ぬのは教育上残酷で宜しくないという都合なんだろうと思うと納得できる。悪人や愚人は死ぬべきか否かという議題はデスノートで触れることができるので童話の世界線はどうでもいいのだが、勧善懲悪のストーリーはどうも殺伐としてる。『かちかち山』なんて大筋は少年ジャンプのバトル物みたいな作りだけど、内容は「老婆を撲殺した狸を溺死させる」というひどい始末である。保育園でお昼寝の時間が終わった後笑顔で紙芝居を読んでくれた先生はこの童話が児童に何を齎さんと期待していたのだろうか、ひょっとしたらこのお陰でバトル物のストーリーの流れを掴んで、字が読めるようになったときスムーズに少年ジャンプに移行できるようになった子は少なくないのかもしれない。僕はその前にコロコロコミックを挟んだ。時世の倫理観に話を曲げられてくたくたになったストーリーの童話よりは、ベイブレードでロシア人のクーデターを鎮圧してく話の方がまだ筋があると思う。